古墳初心者のための基礎知識~古墳の種類や時代別の特徴をわかりやすく解説~

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古墳初心者のための基礎知識~古墳の種類や時代別の特徴をわかりやすく解説~

古墳とは何か? 古墳時代の歴史的背景

古墳とは、日本の歴史において、3世紀中頃から7世紀頃までに造られた、土や石を盛り上げた墓のことです。古墳は、日本の古代国家の形成や発展に関わる重要な遺跡であり、その規模や形態、埋葬施設や副葬品などから、当時の社会や文化を知ることができます。

古墳時代は、日本列島において古墳が盛んに造られた時代を指します。この時代には、大和王権と呼ばれる強大な権力が確立し、朝鮮半島や中国と交流しながら政治・経済・文化を発展させました。古墳は、大和王権や地方豪族たちの権威や信仰を示すものであり、その築造には多くの人々や資源が動員されました。

古墳時代は、日本の歴史において重要な時代であり、その遺跡である古墳は、今もなお私たちに多くのことを教えてくれます。ぜひ、古墳に興味を持ってみてください。

古墳時代の歴史的背景を大きく分けると、以下のような段階があります。

初期(3世紀中頃~4世紀前半)古墳の発生と拡大古墳は、弥生時代に続く小型の円墳や方墳から発展しました。
この頃から大和王権が倭国の統一政権として現れ、朝鮮半島に進出しました。
倭国は中国の魏に使者を遣わし、倭の五王と呼ばれる王たちが中国から金印や鏡などを賜りました。
中期(4世紀後半~5世紀前半)巨大前方後円墳の造営古墳は、巨大な前方後円墳という独特の形態に発展しました。
この頃に造られた仁徳天皇陵古墳は日本最大の古墳であり、世界最大級の墓でもあります。
大和王権は朝鮮半島で高句麗と戦い、新羅や百済を臣従させました。
後期(5世紀後半~6世紀)規模縮小と多様化古墳は、規模が縮小し、円墳や方形周溝墓など多様な形態に分化しました。
この頃に造られた高松塚古墳やキトラ古墳などでは壁画が描かれました。
大和王権は中国の隋に使者を遣わし、仏教や儒教などの文化を受容しました。
末期(7世紀)古墳造営の衰退と新たな墓制の出現古墳は、造営が衰退し、石室や石棺が廃れました。
この頃に造られた飛鳥岡本二子山古墳などでは木棺が用いられました。
大和王権は飛鳥に都を移し、天皇制や律令制などの新たな政治体制を確立しました。

古墳の種類と特徴

古墳とは、日本で3世紀半ばから7世紀頃にかけて造られた、墳丘をもつ古代の墓のことです。古墳は、規模や化粧方法の違いによって類別されるほか、その平面形状、さらに埋葬の中心施設である主体部の構造や形態によって細かく分類・編年されています。

古墳の種類には、基本的な形の円墳・方墳を始め、長方形墳、六角墳、八角墳、双方中円墳、上円下方墳、双方中方墳、帆立貝形古墳などがあります。また、山が2つある古墳もあり、前方後円墳・前方後方墳・双円墳・双方墳などがあります。主要な古墳は、山が2つあるタイプの古墳であることが多いです。

古墳の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

  • 日本独特の前方後円墳や前方後方墳など多様な形があること。
  • 階層的な秩序を構成するのに形と規模の両者が基準として用いられたこと。
  • 墓穴を掘ってから埋葬施設を造る「墳丘先行型」であること。
  • 平地に立地する大型古墳には周濠がめぐる場合が多いこと。
  • 墳丘の表面に葺石や埴輪などで何らかの世界が表現されること。
古墳の種類
©Shogakukan

古墳の時代別の変遷

古墳は、日本で3世紀半ばから7世紀頃にかけて造られた、墳丘をもつ古代の墓のことです。古墳は、規模や化粧方法の違いによって類別されるほか、その平面形状、さらに埋葬の中心施設である主体部の構造や形態によって細かく分類・編年されています。

古墳は、考古学上の時期区分で、弥生時代に続く古墳時代に築造されたものを指します。古墳時代は、さらに前期(3世紀後半~4世紀後半)、中期(4世紀末~5世紀後半)、後期(5世紀末~7世紀)に区分されます。

古墳の変遷は、以下のように概説できます。

前期円墳や方墳が主流であったが、3世紀後半から前方後円墳が出現し、大王や豪族の墓として造られた。前方後円墳は、4世紀中頃から全国各地に広まり、規模や形態も多様化した。主体部は木棺を直接埋める竪穴式石室が多く、副葬品として鉄剣や鉄鏃などの武器類や鏡・玉・勾玉などが多い。
中期前方後円墳が最盛期を迎え、全国各地で大型化・集中化した。主体部は横穴式石室が主流となり、石棺や棺形石棺が用いられた。副葬品として鉄製品や鏡・玉・勾玉などに加えて馬具や装飾品などが多くなった。また、埴輪や葺石などで墳丘表面に何らかの世界が表現されるようになった。
後期前方後円墳は衰退し、円墳や方墳が再び主流となった。規模は小型化し、集団埋葬が多くなった。主体部は竪穴式石室や横穴式石室が併存し、木棺や石棺・棺形石棺が用いられた。副葬品として鉄製品や鏡・玉・勾玉などに加えて土師器や須恵器などの陶器類が多くなった。

古墳を楽しむ方法

古墳は、日本の古代の歴史や文化を感じることができる貴重な遺跡です。しかし、古墳に興味があっても、どうやって楽しめばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

そこで、古墳をより楽しく学ぶためには、どうすればいいのでしょうか?

まず、古墳観光には最適な季節があります。それは冬です。冬に古墳観光をするメリットは2つあります。ひとつは虫が少ないことです。夏場は自然豊かな古墳周辺には虫が多く、蜘蛛の巣に絡まったり、蚊に刺されたりする可能性が高くなります。また、スズメバチなどの危険な虫に遭遇するリスクもあります。虫が苦手な方は、冬場の古墳観光がおすすめです。もうひとつは墳丘の形がよく見えることです。夏場は木々の葉で覆われてしまって、古墳の全体像が分かりにくくなります。しかし、冬場は葉が落ちているため、古墳の形状や大きさを把握しやすくなります。特に前方後円墳や方墳などの特徴的な形をした古墳は、冬場に見るとその迫力を感じられます。

次に、古墳観光に適した服装や持ち物についてです。服装は動きやすく暖かいものがおすすめです。古墳観光では、歩き回ったり、墳丘に登ったり降りたりすることが多いので、スニーカーなどの歩きやすい靴が必要です。また、冬場は寒いので、防寒着や手袋、マフラーなどを用意しましょう。持ち物は、カメラや双眼鏡、地図やガイドブックなどがあると便利です。カメラや双眼鏡は、古墳の全体像や細部を撮影したり観察したりするのに役立ちます。地図やガイドブックは、古墳の位置や名称、特徴や歴史などを確認するのに便利です。また、水分補給や軽食なども忘れずに持っていきましょう。

古墳観光では、以下の3つのことに注意してみると良いでしょう。

古墳の形状や大きさを見る古墳は、その形状や大きさによって時代や地域、被葬者の身分や権力などが推測できます
古墳の埋葬施設や副葬品を見る埋葬施設や副葬品を見ることで、被葬者の身分や性別、信仰や文化などが推測できます。
古墳から眺める景色を見る古墳から眺める景色を見ることで、古代の風土や風情を感じることができます。

まとめ

この記事では、古墳とは何かについて解説しました。古墳時代の歴史的背景や、古墳の種類と特徴、古墳の時代別の変遷などについて詳しく説明しました。また、古墳を楽しむ方法として、古墳周辺の散策・見学ポイントや服装などを紹介しました。

古墳は私たちの祖先が残してくれた貴重な文化遺産であり、その歴史や形状・造り方には多くの研究がなされています。古墳時代には、現在の日本列島にあたる地域に様々な文化が栄え、古墳はその中でも重要な存在でした。古墳の形状や規模は時代や地域によって異なり、それぞれに独特な特徴があります。

古墳を楽しむ方法としては、上記に挙げたポイント探索がおすすめです。また、古墳に関する資料や展示を見ることで、今まで知らなかった古墳の魅力を発見することができるかもしれません。古墳周辺の散策も、その土地ならではの古墳とのつながりを感じることができます。

古墳は、私たちが生きる現代にも多くの影響を与えている文化遺産です。今回の記事を通じて、古墳について少しでも理解を深めて頂けたらと思います。